飲食チェーン店 日本と海外の商品価格を比較してみました

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食料品、日常生活用品、ガソリン代、自動車保険料や火災保険料の値上げなどもそうですが、「物価上昇のスピードが加速しているように感じる」という声をお客さまから聞く機会が増えてきています。

日本は食料をはじめ、木材、鉄鋼、石油などの原材料も海外からの輸入に依存しなければならない環境にありますので、今回のように新型コロナ禍における物資の供給停滞や為替が円安に動くようなことが発生すると物価上昇の影響を受けやすいようです。

今回は皆さまがよく知っている、利用されるファーストフードおよびレストランチェーン店での商品価格の違いについて比較してみました。

マクドナルド ビッグマックの価格はいくら?

世界各地で食べることができるマクドナルド

英誌『エコノミスト』が毎年、世界各国のビッグマックの価格を公表しており、世界各国の人々の購買力を測るための指標材料として経済学者の方々がよく利用しています。

最新のデータ(2021年7月)を用いて、ビッグマックの価格をいくつかの国と比較してみました。

国 名 ビッグマック
日 本 423円 3.74ドル
韓 国 464円 4.10ドル
中 国 392円 3.46ドル
香 港 306円 2.70ドル
シンガポール 501円 4.43ドル
タ イ 481円 4.25ドル
アメリカ 640円 5.66ドル
アルゼンチン 424円 3.75ドル
スイス 824円 7.29ドル

https://www.economist.com/content/big-mac-index エコノミスト・ビッグマック指数2021より引用
2021年12月6日の為替レートで計算しています。

日本の価格は発表されている57ヵ国中31位で、比較的安くビッグマックを食べることができる国のようです。

購買力がある中国、香港はビッグマックの価格が予想以上に安く、出稼ぎ労働者などの低所得者層も多いので損益分岐点ギリギリまで安くしているのでは?という解説も見かけましたが、真偽については分かりません。

CoCo壱番屋のカレーの価格はいくら?

CoCo壱番屋は世界に日本式のカレーを提供しているチェーン店です。
最近はカレーの本場インドにも出店し、テレビニュースでも話題になっていましたよね。

では、世界各国のCoCo壱番屋でロースカツカレー(インドはチキンカツ)野菜カレーの価格がいくらするのか、各国のホームページを閲覧し調べてみました。

国  名 ロースカツカレー(インド:チキンカツ) 野菜カレー
日 本 809円 745円
韓 国 1,098円 11500ウォン 878円 9,200ウォン
台 湾 999円 245台湾ドル 795円 195台湾ドル
中 国 708円 40元 567円 32元
香 港 1,071円 74香港ドル 898円 62香港ドル
タ イ 583円 175バーツ 583円 175バーツ
イ ン ド 712円 475ルピー 525円 350ルピー
イ ギ リ ス 1,836円 12.3ポンド 1,493円 10ポンド
ア メ リ カ 1,449円 12.84ドル 1,195円 10.59ドル

2021年12月3日の為替レートで計算しています。

イギリスで家族4人がロースカツカレーを食べたと考えると7300円。家計に厳しいお会計となってしまいますね。シンガポールでもCoCo壱番屋を見かけましたが、恐らく香港と同じくらいの値段がするんだろうなと思います。

スシロー 100円皿の価格はいくら?

スシローは海外でも安くて美味しい回転寿司を提供するグローバルチェーンです。

ドバイ万博でも出店し、連日、本場日本のお寿司を求めて長い行列ができているようです。

では、日本のスシローで100円皿にあたる料金は海外ではいくらなのかを比較してみました。

国 名 100円 皿
日 本 100円
韓 国 163円 1700ウォン
香 港 174円 12香港ドル
シンガポール 181円 2.2SGドル
タ イ 134円 40バーツ
台 湾 163円 40台湾元

2021年12月3日の為替レートで計算しています。

スシローのお寿司を一番安く食べることができるのは日本です。

価格を見て、皆さんは何皿でセーブされようと思いますか?
香港では10皿で1700円、シンガポールだと10皿で1800円の食事になってしまいますね。

海外でスシローに行った際にいつもの感覚でお寿司を沢山食べてしまうと、会計で概ね1.6倍以上のお支払いが待っているということですね・・・

やよい軒 定食の価格はいくら?

やよい軒は日本の定食をグローバルに提供しているチェーンです。

日本でも人気が高いサバの塩焼き定食チキン南蛮定食の価格を調べてみました。

国  名 サバの塩焼き定食 チキン南蛮定食
日 本 670円 760円
タ イ 664円 199バーツ 631円 189バーツ
台 湾 1,182円 290台湾元 1,223円 300台湾元
マレーシア 798円 29.84リンギット 611円 22.84リンギット
シンガポール 982円 11.90SGドル 1,395円 16.90SGドル
フィリピン 1,065円 475ペソ 887円 395ペソ
オーストラリア 1,492円 18.80AUSドル 1,571円 19.80AUSドル
アメリカ 2,091円 18.50ドル 2,260円 20ドル

2021年12月6日の為替レートで計算しています。

アメリカと日本の価格差は約3倍でした。
つまり、日本での3食分がアメリカでの1食分と同じということですね。

海外の旅行客は日本へ来た時にやよい軒へ行くと「安く」感じるでしょうね。

スターバックスコーヒー スターバックスラテの価格はいくら?

旅行に出かけると世界各地で見かけることが多いスターバックスコーヒー

各国のスターバックスコーヒーで販売されている「トール・ラテ」1個あたりの価格から算出されるスターバックス指数という指標がありますので、その指標を用いて比較してみました。

国 名 トール・ラテ
日 本 429円 3.79ドル
韓 国 439円 3.88ドル
中 国 462円 4.08ドル
香 港 520円 4.60ドル
台 湾 436円 3.85ドル
タ イ 425円 3.76ドル
アメリカ 487円 4.30ドル
シンガポール 509円 4.50ドル
デンマーク 684円 6.05ドル

Finder’s Starbucks Index 2019 – finder.com ファインダー社スターバックス指数2019より引用
2021年12月6日の為替レートで計算しています。

スターバックスの料金は海外旅行の際「高いな・・・」と感じることが多かったですが、近隣国の指数と比較すると日本は安くスターバックス・ラテを飲める環境にあるようです。

日本の価格設定は高い、安い?

さまざまなチェーン店の商品価格を見てきましたが、日本の商品価格設定は諸外国と比較すると「安い」ように感じます。

しかし、容量などに差もあるでしょうし、原材料の調達コスト、人件費など、商品価格を全く同条件で比較できる訳ではありませんので、正確に「安い」のかは定かではありません。

ただ、諸外国においては、人々がこれらの商品を買うにあたり日本よりも高い価格で買おうとする「購買力」があることは知っておいたほうがよいかもしれません。

私が住んでいる地元では育てた農作物を安く買い叩かれる地元には卸さず、高く買ってくれる(購買力がある)都心や近隣諸国(香港)に出荷されている農家さんもいます。

もし、世界で食材の争奪戦が始まると「購買力」がない国は買い付けることが難しくなるでしょうし、買えたとしても商品に価格転嫁されるので販売価格は高騰するでしょう。

安いのは消費者にとっては嬉しいことですが、ずっと安いままでいるのも経済的には良くないのかもしれませんね。